1年目のサラリーマン兼業受験生生活を終えて、2年目は専業受験生になった。
「良い年して無職になってしまったけど、自分には目標があるんだから今は無職でも大丈夫。そのうち道が拓ける。」と思って勉強に集中することにした。
入門講座を再受講
予備校の講義は、1年目に受けた予備校の入門講座を再受講した。入門講座を1年受けたけど、とりあえず受けただけで、頭には何も入っていなかった。
でも入門講座の先生はとても分かりやすく説明してくれているのは感じていたので、「この講座をもう一回きちんと受けて理解したら、合格に必要な知識は全部そこにある」と思って再受講した。
1年目はネット受講だったけど、2年目は教室でのライブ受講にした。基本的には24時間全部自分の時間だったので、週3回の講義を教室で受けるのは、1週間のリズムを作るのにも良かった。1年目はネット越しでしか会えなかった先生の生の講義を聴けるのも嬉しかった。
ライブ受講にすることで、受験仲間も出来た。1年目はネット受講だったので、誰一人として受験仲間はいなかったし、勉強は一人でするもんだから受験仲間はいらないと思っていた。
そういう感じで2年目のライブ受講を受け始めたので、始めのころは誰と話す訳でもなく、一人で淡々と講義を受けていた。でもそんな自分にも話しかけてくれる奇特な人もいて、その人をきっかけにだんだんと人の輪が広がっていった。
会社員、専業主婦、専業受験生、フリーター…色んな立場や年齢の人と同じ目標に向かって勉強するのは、とてもいい刺激になった。予備校に通わないと出会えない人達と出会えたことは、試験勉強を通して得た一つの大きな財産になった。
自習室で過ごす地味な日々
毎日の勉強は、予備校の自習室と、有料の自習室を借りてしていた。ずっと家で一人で籠って勉強するのは気が滅入りそうだったし、自習室に通って周りの受験生を目にすることで、頑張らないといけないと思えると思ったから。
朝起きて自習室に行って勉強して、講義がある日は講義を受けて帰る。1回受けた予備校の講義を復習のために2倍速で聴いて、基礎ドリルを解いて、『うかる! 司法書士 必出3300選』を解いて、『オートマ』を解く。毎日ただただその繰り返しで平凡な日常だった。
専業受験生の期間は、友達と連絡取ることを控えていた。勉強に集中するためには友達との付き合いはいらないと思っていたし、無職という自分の立場に気が引けて、自然と人と会うことを避けていたようにも思う。
後で聞いた話だけど、あまりに連絡がないので、仲の良い友達からは「病気にでもなったんじゃないか」と思われていたらしい笑。
気合い入れて初めた専業生活だったけど・・・
「1日最低10時間は勉強しよう!」と意気込んで始めた専業受験生の生活。始めの頃は達成出来ていたけど、1年という期間は勉強だけの生活するには思ったよりも長くて、中だるみした時もあった。
当時つけていた勉強記録を見返してみると、1年で3000時間程の勉強時間だった。3000時間は1日平均約8~9時間勉強して達成できる数字。
なんの根拠があってか分からないけど、司法書士試験に合格するために必要な勉強時間は平均3000時間というのを目にすることが結構ある。
人それぞれの問題だから、今は平均とか全く意味ない数字だと思うけど、その当時は3000時間で一山超えたという感覚だったと思う。
ハンパないプレッシャー
試験が近づくにつれて、過度なプレッシャーに押しつぶされそうになった。「落ちたらどうしよう」という不安。1年間専業受験生をしてみたけど、絶対に合格するという自信は全くなかった。むしろ勉強すればするほど、この試験の難しさを知ることになって、不安が増していたように思う。
「絶対合格するという強い信念を持って勉強すれば、絶対に合格できます!」よく予備校とか合格者が言う言葉。今はそんな言葉を予備校や合格者が発している意味も理解できるけど、当時は嘘くさい言葉だと思っていた。「受かりたいと思って勉強しても、受からないんじゃないか。」試験が近づくにつれて、そんな気持ちが大きくなっていった。
一方で、「1年間も専念して勉強してきたのだから、絶対に受かりたい」という気持ちもあった。「落ちる不安」と「受かる希望」の間で気持ちが波打っていた。そんなこんなで受けた2回目の本試験。結果は択一・記述とも基準点は超えたけど、合格点には遠く及ばずだった。
「基礎は出来てきたけど、合格するレベルには達していない。」なんとなく試験を受ける前に思っていた。でも試験までは「受かるんだ!」と思うようにして、現実には目隠しをして見えないようにしていた。試験結果を見て、「あ、やっぱりな。」と思った。
1年間の専業生活では試験に必要な知識だけでなく、人生に必要なことを沢山学んだ。人の大切さ、お金の大切さ、時間の大切さ・・・これまでちゃんと考えてこなかったことを真剣に考えるきっかけをくれた時間だった。
2回目の試験は不合格だったけど、択一・記述とも基準点を超えたことで、また次も頑張れそうな気がした。そういう訳で、また来年の合格に向けて勉強を続けることにした。