司法書士試験の勉強を始める前、色々と勘違いしていたことがあった。最も勘違いしていたことは、『1年勉強したら合格できるということ』と『自分は頭は悪くない』と思っていたこと。
試験勉強を通して気づいたことがあったので、それを書いておこうと思う。
『1年勉強したら1発合格できる』という勘違い
予備校のうたい文句をそのまま信じて、1年勉強したら1発合格できると思っていた笑。合格率3%の試験ということは分かっていて、100人受けたら97人は落ちるのに、なぜそのまま信じていたんだろう。
司法書士試験を受けるまでに、1つの試験に1年もの間、真剣に勉強したことは無かった。高校受験も大学受験も世間的には3年生から受験生と言われるけど、受験勉強に本腰を入れたのは夏休みに入ってからの半年くらい前からだったと思う。宅建試験等の資格試験を受けたこともあるけど、1年も勉強はしていない。
そういったこともあって、「1年も勉強して受からない試験なんてあるはずがない」くらいに思っていたwww。
で、月日は流れ、司法書士試験の勉強を始めて1年たった頃、「あ、1年経ったけど、これ無理だ」と思った。ここまで覚えることが多いとは想像していなかった。世の中にはこんなに難しい試験があるんだということを、ここで初めて知った。
ただ、1年で1発合格する人がいることは事実なので、そういった人たちにとってはそこまで難しい試験じゃないのかもしれない。結局、試験の難しさって人によって違うので相対的なものなんだと思う。でも自分にとっては、これまで受けてきた試験の中では、桁違いのレベルで難しい試験だと感じている。
『自分は頭は悪くない』という勘違い
司法書士試験の勉強を始めるまで、自分の頭はそこまで悪くない方だと思っていた。(ここでいう頭の良さは、机上の勉強の話で、人間的にどうとかという話ではない。)
小中学校の時は大体学年で1番か2番の成績だったし、高校・大学は自分の行きたいところにいけた。でも、小中学校時代はただの井の中の蛙で、高校の時の成績は下から数えた方が早かったし、社会に出て色んな人と知り合うことで本当に頭の良い人というのがいることも知ったので、自分は頭は悪い方ではないけど、良い方でもないと思っていた。
でも、司法書士試験の勉強を始めて、「自分はなんて頭が悪いんだ」と思うことが何度もあった。講義を聴いても分からないし、テキストを何度読んでも覚えられない。さっき読んで覚えたと思ったこともすぐに忘れる(多分覚えたつもりになっているだけで覚えていない。)。問題を解いても分からない。「次こそ間違えないぞ」と思って解説を熟読した問題も、次に解いた時に間違える…。
この試験の勉強をするまで、勉強は、やれば出来るもんだと思っていた。でも、勉強しても分からないことがあるんだということを知った。でも、どこかで「ここで諦めないで、努力して勉強を続ければ、必ず分かるようになる」という気持ちは持っていた。出来ないからと言って途中で諦めるのは自分の中で格好悪いことだと思っていたし、高いハードルだからこそ、それを乗り越えた時には飛躍的に成長できると思っていた。
まずは「自分は頭が悪いんだ」という自覚を持つことにした。頭が悪いんだから、人より努力しなくては、と。それまでは、「そもそも自分は出来るはず」と思っていたから、出来ない時のテンションの下がり方はハンバなかったけど、「そもそも出来ないもんなんだ」と思って取り組んでいると、出来なくて当たり前なので、テンションは下がるけど、下がり幅はそこまでではなくなった。頭が悪いと思うことは、別に投げやりとか諦めとかいう気持ちではない。自分のレベルを下に下げることがモチベーションを保つ手段になったということ。
この試験の勉強をしていなかったら、真剣に勉強するということを知らずに人生が終わっていたかもしれない。苦しい時期が続いているけど、司法書士試験の勉強を通して気づいたり学んだりしたことが沢山あったので、勉強はして良かったと思っている。