今年メインで使った教材の一つが『ケータイ司法書士』。LECの森山先生が著した本。見開きで左ページに説明、右ページに問題が載っていて、見開き2ページで1単元の内容が勉強出来る。
今年の本試験の現場でも『ケータイ司法書士』を持っている人の率が異様に高かったように感じた。
ケータイ司法書士との出会い
昨年の本試験の後、合格発表までは全く勉強をする気が起きず、ダラダラと過ごしていた。ダラダラ過ごす中で「ド基本のAランクの知識も忘れていっているだろうな・・・」という危機感はあった。でも入門講座の分厚いテキストを読む気にもならない。
そんな時に予備校の友達から「『ケータイ司法書士』って知ってる?めっちゃええで。」という感じで教えて貰って、その存在を知った。その友達曰く「『ケータイ司法書士』の内容だけ完璧に理解してたら、基準点は取れると思うで」ってことだった。
Aランクの知識を完璧にしなきゃいけない必要性は十二分に分かっていた。Aランクの知識が頭に入っていない問題に出くわすと、大抵間違える。司法書士試験の問題って、Aランクの知識が頭に入っている前提で作られているんだと思う。たまにAランクの肢が無い「こんなん誰が解けるねん」っていう問題もあるけど、そんなのは無視。とにかくAランクの知識が頭に入っていないと話にならない。
Aランク=基礎っていうけど、その基礎の覚えることがこの試験では多すぎる。それに基礎といえども深くて難しい内容も多々ある。何度見ても覚えられない数字とかもある。覚えることが多いので、覚えたつもりでも、全科目一周して、また戻ってきた時には忘れてたりする。
「本当の理解をしていないからじゃ?」とも思ったけど、そうではなくて、単に脳の忘却曲線に乗って忘れていくんだと思う。「この試験に必要な知識って、人間の記憶できるキャパとマッチしていないんじゃないか」なんて思ったことも多々ある。
・・・ちょっと話がそれたけど、、、なにせケータイ司法書士は、このド基本のAランクの知識だけがコンパクトにまとまっているらしい。「とりあえず民法だけ買ってみよう。自分に合わなかったら使わなきゃいいだけだし。」という感じで『ケータイ司法書士』を買ってみた。
こりゃいい。ケータイ司法書士は傑作だ。
見開きで1単元になっていて、左ページに解説、右ページに問題が載っている。解説を読んで、すぐに問題を解くことが出来るので、インプットした知識が問題ではどういう風に問われるかをスグに確認出来るのが良い。「今読んだとこなのに問題間違えた・・・。」なんて自己嫌悪に陥ることもあるけど、それはそれでご愛嬌^^;。次からもっとちゃんと解説読み込もうという気にもなれる。
基本的に見開きページで完結するので、とっとことっとこ次の単元にイケるのも良い。分厚いテキストで何ページにも渡って同じテーマの話が続くと、それを読むだけで気合いがいる。その点ケータイ司法書士の場合は、気合いなんか何も入れずに気軽に見ることが出来る。
解説ページの重要なところは暗記シートで隠して、キーワードを穴埋めで自分で考えられるようなつくりになっている。解説を読むインプットの勉強をしつつ、自分で考えるアウトプットの勉強が出来るつくりになっているのも良いと思う。
ただ、自分の場合は、ケータイ司法書士は速読のような感じで高速で何回転もさせる教材として使っていたので、暗記シートは使わず「暗記シートで隠せる赤い文字のところが特に重要なんだな」という感じで読んでいた。
ケータイ司法書士だけやと知識不足やろ?
あまりに上手にコンパクトにド基本の知識をまとめてくれているので、本のコンパクトさを見て「ケータイ司法書士だけやと試験に太刀打ちできへんのちゃう?」という人もいる。実際、そんな風に言われたこともある。
「当たり前やろ。ケータイ司法書士だけ読んでて受かるかいなw」。ケータイ司法書士は、あくまでAランクのド基本知識を覚えたり忘れないように見るためのテキストだと思う。なので、自分の場合は他に必要な知識は過去問で補充していた。あと、ケータイ司法書士読んでて制度趣旨とか「なんでこれってこうなんやっけ?」と疑問に思ったところは、入門テキストに戻って解説を読んだりもしていた。
『ケータイ司法書士』は覚えることの結論だけ書いてくれている。自分の中では入門テキストのマークしたとこだけ拾い上げてまとめてくれているイメージ。とてもありがたいのだけど、例えば独学でこれから司法書士試験の勉強始めますっていう人がメインのインプット教材として使うのは厳しいだろうな、と思う。「そもそもなんで、これはこうなるんやろ」っていうのがケータイ司法書士だけでは分からんから。
テキストにも適材適所があると思う。ケータイ司法書士はある程度勉強した受験生がAランクの知識を忘れないようにするためとか、勉強し始めの人がメインのインプット教材とは別に基礎知識を確認するサブ教材としては最高だと思う。
ケータイ司法書士を絶賛してしまった・・・。使ってみてめっちゃ良かったから勧めたくなってしまったけど、どんな教材でも人に合う合わないがあると思う。自分は気に入って使っているけど、他の人には合わないこともある。
ここまでケータイ司法書士のこと書いておいてなんだけど、どんな教材でも自分に合うと思ったものを使うのが1番いいと思います。。。
【本との出会い】
ケータイ司法書士という素晴らしい本と出会った話 ←今ココ!