司法書士の仕事

司法書士のお仕事4[株主総会決議による解散と清算人及び代表清算人の選任(選定)登記]

解散・清算人

会社が事業を終了する時、解散登記を行う。

事業を終了する理由は様々。経営不振であったり、事業承継の問題であったり、合併による解散であったり。

自分が経験した解散登記の仕事では、事業承継の問題で解散する事案が結構多かった気がする。簡単にいうと、跡継ぎ問題。

株主総会決議による解散は、解散日が先の場合は要注意

株式会社が解散する事由には様々なものがある。①株主総会決議による解散、②定款で定めた存続期間の満了、③定款で定めた解散事由の発生、④合併による解散、⑤破産手続開始決定、⑥解散命令、⑦休眠会社のみなし解散など。

これまで携わってきた解散の仕事は、株主総会の決議による解散が多かった。株主総会で解散することを決議して、清算人と代表清算人を選任する。清算人は定款で定められていたり、裁判所によって選任される場合は選任しなくてもいいし、株主総会決議で選任しなければ、法定清算人として取締役が清算人になる。

株主総会決議で解散する場合、解散する日を決めるのだけど、決議の日から2週間以上先の日を解散日にする時は要注意。規定上、株主総会決議による解散が出来ない場合がある。

その場合はどうするかというと、株主総会決議で定款に会社の存続期間を定めることを決議し、一旦、会社の存続期間設定の登記をする。存続期間が満了したら、年月日存続期間満了による解散の登記をする。

解散日が決議の日より先の日付で、株主総会決議による解散が出来るかどうか微妙だと思う時は、念のため法務局に確認した方が良いかも。

解散・清算人・代表清算人の登記申請

株主総会決議による解散登記申請は、清算人及び代表清算人の選任(選定)登記と同時にする。この申請に必要な書類は、申請書の他、①定款、②株主総会議事録、③株主リスト、④清算人及び代表清算人の就任承諾書、⑤委任状。

受験勉強の時に、解散登記申請には定款が必要と口を酸っぱくして言われていたので、定款を忘れることはないw。就任承諾書は、大抵の場合、株主総会議事録の記載を援用する。

あと、清算人・代表清算人の選任(選定)は、登記の事由に年月日を書いて、登記すべき事項には単に「清算人○○」「住所 代表清算人○○」と書くのも受験知識。司法書士の仕事は、受験試験で学んだことが、そのまま実務に生かされる。

代表清算人の市区町村作成の印鑑証明書は添付書類ではないので、代表清算人に印鑑証明書を貰わなくても良いかというと、そうではない。代表清算人の印鑑届出書を一緒に出すのだけど、印鑑届書の添付書類としてつけなくてはいけない。

受験時代、実務をやっていないのもあって、申請書に書かない印鑑届書や印鑑証明書が必要なことがイメージ出来ず、いまいち分からなかったのだけど、今は分かるようになったw。

申請書を作成し、必要書類に押印を貰って、管轄登記所に申請すれば、ほどなくして登記が完了する。

↑…と、1行で書くと簡単に出来る感じがするけど、解散に係る手続にせよ、他の登記申請するにせよ、簡単に出来るように見えるまでには、それまでの知識の習得や経験があってこそ。「司法書士って書類作るだけで報酬貰えていいねー」なんて簡単に言わないで欲しいな^^;。

あと、解散すると清算手続きに入るので、債権届出の官報公告と、債権者への格別催告が必要。自分がいつもやりとりしている官報公告担当の方は、対応がとても丁寧で親切なので嬉しい^^。

清算手続きが終わると、最後は清算結了登記をする。清算結了登記はまた次回。


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