テキスト・過去問・問題集

オートマ過去問を学習初期に使って良かった話

司法書士試験の受験生なら知らない人はいないんじゃないかと思うくらい知名度のある『オートマシリーズ』。タック(Wセミナー)の講師である山本先生の本。2年目と3年目の択一の過去問はオートマをメインとして使っていた。1年目は残業・休日出勤ありの兼業受験生だったのもあって、予備校の講義受けるのと、予備校で配られた基礎ドリルを解くので手いっぱいだったので過去問は解いていない。

基本知識がコンパクトに収まっている

オートマ』の特徴の一つは、なんといっても他の予備校が出している過去問集より圧倒的に問題の収録量が少ないこと。合格に必要な最低限の知識だけが収録されていて、Cランク等のマニアックな問題は一切掲載されていない。

初学者は学習した箇所の確認として使えるし、ベテラン受験生は当たり前に覚えていると思っても、他のことを覚えることで忘れてしまったりするAランクの知識の確認をするのにも使える。

基本問題だけがコンパクトにまとまっているので、一冊回すのもさほど時間がかからない。一日時間が使える日だったら「今日は会社法を1冊回そう」とかも出来る。問題の収録量があまりに多くて解いても解いても先が見えない感じだと気持ち的に萎えてくるけど、オートマに関してはそんなことは起こらない。

肢別問題集

オートマ』は「肢別」の過去問集。肢別は、1題そのまま丸丸問題を載せる多肢式ではなくて、問題を分解して、その単元に関連する選択肢だけを集めて掲載している問題集。学習初期だと、講義で習った単元だけ確認のために過去問を解きたい。

多肢式だと、1題に5肢あるので、まだ習っていない肢とか、その単元には関係ない肢まで入っていることがある。学習していない範囲の肢を見るのは効率が悪い。初期の段階だと習ったか習っていないかの判断もままならないので、学習していないのに、その肢を見て「難しい。分からない。」となってモチベーションが下がってしまうこともある。その点オートマは単元ごとに基礎問題だけをまとめてくれているので、そういったことはない。

もう一点、肢別の問題集で良いと思うのは、組み合わせで答えを出せないこと。一問一答形式で答えを出さないといけないので、「その肢を知っているか知らないか」「その肢だけを見て考えて答えを出せるか」で判断しないといけない。なので、正確な知識が要求される。

多肢式の問題集だと、その肢が分からなくても組み合わせで答えを出すことが出来ることもある。ベテラン受験生になると組み合わせで答えを出す”テクニック的”なことも必要なので多肢式問題集を使うのも良いと思う。

でも学習初期の段階では、過去問でインプットした知識の確認をしたり、テキストの記載が過去問ではどう問われているかを知ったり等、過去問を1肢1肢じっくり検討して勉強しないといけない。そういった意味でも肢別問題集は1肢1肢ちゃんと読んで判断せざるを得ないので、良いと思う。

解説が短い

オートマ』は解説が短い。そして口語調で書かれている。解説が長いのは、それはそれで有難いのだけど、全部読んでいたら時間がかかって仕方がない。司法書士試験はただでさえ問題量が多いのに、解説文が長いと、それを読むだけで時間をめっちゃ使ってしまう。

その点オートマは解説が短いので、端的にその問題の要点だけを知れる。解説文が長くても、結局知りたかったり必要だったりするのはその中の一部だったりもする。なので、オートマみたいに解説が短いのはある意味重要なところだけ抜き出して掲載してくれているようなもんだと思う。

あと、初学者だと、長い解説の中でどの部分が本当に必要な記載なのかの見極めが難しいと思う。ベテラン受験生だと、キーワードを拾っていって自分にとって必要な知識なのか否かを判断しながら読めると思う。でも初学者だとそれは難しくて、解説に書いてあることを全部覚えようとしてしまうと、パンクしてしまうと思う。

使っている人が多い

自分の周りの受験生の半数以上の人はオートマを使っていた。予備校では「Aランクの徹底」を声高に教えられるので、Aランクの知識を徹底するにはAランクの問題だけがまとまっているオートマを使うのは必然だと思う。

伊藤塾セレクション』もAランクの問題が中心に掲載されていていいのだけど、伊藤塾セレクションは多肢式の問題集。初学の段階では、1肢1肢確実に解いて知識として定着させるには、肢別の問題集であるオートマを使うのが良かった。

オートマ』を使っている人が多いことは、オートマが評価されている証拠だと思う。学習初期にオートマを使ったことで、司法書士試験に必要な知識の基礎固めが出来た。もしまたイチから勉強することがあったとしたら、学習初期にはまたオートマを使うと思う。


司法書士 山本浩司のautoma system オートマ過去問 (1) 民法(1) 2021年度


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