同期と飲んでいると、結構な確率で「いつ開業するか」という話題があがる。
既に開業している人もいるし、近々開業する人もいる。
「いつでも開業できそうやのに、なんでせーへんの?」とたまに言われる。
今のところ、すぐに開業する予定はない。
開業のタイミングは今ではない。
司法書士になったからといって、皆が皆、独立して開業する道を選ぶわけではない。
司法書士は独立型の資格だと思われている節があるけど、最近は就業環境の整った法人も多数出来ているし、勤め人として働く道を選ぶ人もいる。
とは言っても、いつかは開業したいと思って司法書士を目指した人の数は多い。
一刻も早く開業したいと思っている人は、合格直後から、もっというと受験勉強中から開業に向けて準備をしている。研修中も開業の話題を振ってくることが多い。
現実的に開業を考えている人の熱量は高くて、「いつ開業するの?」と聞かれ、「そのうちね~」とフワフワした対応をしていると、冷めた視線を送られることも多々あった。
そういった人達を見ていると、今の段階では、自分は開業するということを全然現実的に考えていないんだな、と思う。
何かを始めたいと思った時、それは無理に自分の気持ちを持っていくのではなく、何も考えなくても自然と行動がついてくる。司法書士になろうと決めた時もそう。無理に行動したのではなく、自然と勉強しようと頭が働き体が動いた。
何事も、自然と行動が伴わないことは、今自分が本当にやりたいことではないと思っている。なので、そうしたいと自然に思うようになるまで、待つようにしている。
ちなみに、去年や一昨年前の本試験直後に全く司法書士試験に関する勉強をしなかったのもそう。周りには「試験直後から来年の試験への戦いが始まっています!今勉強したことが後々大きなアドバンテージになります!今すぐ勉強を再開しましょう!」みないたことを言う人がいたけど、完全にスル―していた。
それまで本試験に向けて走り続けていたので、本試験後は休息しようと決めていた。勉強したいとは全く思わなかったので、全く勉強しなかったw。必要になったら勉強したいと思う日がまた来るだろうし、そう思うまで休もうと思っていた。
周りはあれこれ言うかもしれないけど、勉強したかったらしたら良いし、勉強する気が起きないならしなくても良い。自分の気持ちに無理していると、いつか破綻する。
開業する日はいつか
いつかは開業しようと思っている。でも、それは今ではない。なぜ今じゃないのか。
一つは、今の事務所で学ぶことがまだまだあって、最近、事務所の仕事も以前より面白いと感じているから。不動産登記の仕事は決済や相続等、色々な種類の仕事が出来る。商業登記も役員変更だけでなく、設立から解散、組織再編や増資など、仕事は多種多様。少人数の事務所なので、その全てに最初から最後まで携わることが出来る。
ずっと勤め人を続けたからといって、全ての仕事を知って、完璧に出来るようになるわけではない。この仕事を続けている限り、次から次に自分の知らないことや経験したことのない仕事がやってくる。それは分かっているので、自分が今だと思ったタイミングで区切りをつけて、次に進むんだと思う。その時が来るまで、ボスの庇護のもと、勤め人の特権を活かして働こうと思うw。
あとは、開業したからといって、どこから仕事をとってくるのかイメージが出来ていないこともある。付き合いのある同期の中には、全く仕事のあてもなく開業したと言っている人もいたけど、実はそういう人でも、何かしらの勝算があって開業しているんだと思う。
全くの丸腰で開業する人って、ホントにいるんだろうか…。もし自分が若くて勢いがあったり、他に十分に生活できるだけの他の収入源があったり、単に考え無しの無鉄砲な人間なら、そういうことも考えられるけど。
開業当初に仕事が無いのはある程度仕方がないとして、軌道に乗るまでの期間をどうやって繋ぐかは問題。最近は大副業時代なんて言われていて、プロの副業みたいな面白いサービスも出てきているので、こういったのを活用するのもありかもしれない。
実務が出来る能力と、事務所を経営していく能力は違う。全く違うとは言わないけど。いくら良い腕を持っていても、その腕を活かす機会がなければ宝の持ち腐れ。開業するということは、自分で仕事をとってこないといけないということ。
今の事務所では比較的自由にやらせて貰っている。勤め人から開業することは出来るけど、開業してから勤め人に戻ることは、なかなか難しいと思う。ならば焦らず、今の環境で色んな人と出会ったり、見識を広げたりして、毎日を大切に過ごす。
いつかの開業の日に向けて、虎視眈々と。