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『セイギとミライ-熱血司法書士の事件簿-』第1件目「放棄」

セイギとミライ1

司法書士漫画『セイギとミライ-熱血司法書士の事件簿-』が面白い。

話の内容を詳しく書いてしまうとネタバレしてしまうので、ポイント×2で思ったことを書いてみる。

相続放棄の手続き

セイギとミライ-熱血司法書士の事件簿-』は、司法書士が題材になった漫画。新人司法書士の「セイギ」と「ミライ」の2人が司法書士の仕事や人との関わりを通して成長していくストーリー。描かれている司法書士の世界にリアリティがあって面白い。

1話は「相続放棄」がテーマ。読み進めるうちに相続放棄について自然と理解が出来るような構成になっているので、「相続放棄の手続きを知らない方に、こんな風に説明したら分かりやすく伝えられるんだな」といった感じで、司法書士の立場でも勉強になった。

話の中で、「常に最悪の事態を想定して」仕事をしているといった件(くだり)がある。これは本当に大事なこと。登記の仕事然り、相続放棄の仕事然り、司法書士の仕事は完璧に仕上げることを求められることが多い。「間違えました」「出来ませんでした」は通用しない。司法書士に限らず、他の仕事でもそうかもしれないけど。

何度もやっていて、どんなに慣れた仕事でも「こういったことが起こるのではないか」「どこかに落とし穴がないか」等、常に想定外のことが起こらないかを考えながら仕事をしている。

相続放棄の手続きは、申述期間に注意するのは当然として、依頼者に対して「相続放棄とはそもそもどういったもので、どういった流れで進み、手続きが完了するとどうなるのか」といった事前説明がとても大事。これを理解して貰えないうちに手続きを進めてしまって、あとでそんなつもりじゃなかったなんてことになったら一大事。相続放棄に限らず、相続に関する手続きは、相続人の意思確認を絶対に怠ってはいけない。

相続放棄の手続きは、相続関係が複雑でなければ、専門家に頼まずとも自分で出来るかもしれない。じゃぁ司法書士などに頼む意味はなんだろうと考える。なるべく早く手続きを滞りなく進めることは当然のこととして、依頼者の不安を軽くしたり、依頼者の気持ちに寄り添って相談相手になったり、依頼者が一人では考えつかなった別の選択肢を提示したりetc、手続きを通して依頼者にとって何が最善かを考えながら良い方向にナビすることも、依頼を受けた専門家だから出来ることなんじゃないかな、なんて思う。

司法書士は、ただの代書屋なんて揶揄されることもある。パソコンを使って書類を作って申請して…と、それだけ見たらただの代書屋かもしれない。でも、ただの代書屋だと自分で思ってしまったらそこで終わり。依頼者に「頼んで良かった」と思って貰えるような仕事を常にしていきたいと思う。『セイギとミライ』の第1話を読んで、そんなことを思った。

セイギとミライ』は、1話完結の話なので読みやすい。最後に「今回のまとめ」としてワンポイントアドバイスもあるし、ただ面白いだけでなく、学びがあるのも良い。次話を読むのも楽しみ。


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